新サーバの構成

CPU Intel Core i7 3770T 2.6GHz
Memory 16GB DDR3 1600
MoBo ASUS P8H77-I
HDD Seagate ST3000DM001 (3TB) x2 (Software RAID1 3TB)
  Intel SSDSC2CT060A3 (60GB)
OS Ubuntu 12.04 LTS server amd64
Chassis LIAN-LI PC-Q25B
PSU 玄人志向 KRPW-PT500W

CPU:
瞬間的なTurbo Boostを別にすれば2.6GHzで若干は非力だが、他の複数のPCやデバイスに対するファイルサーバ(NFS/CIFS)、ディスクサーバ(iSCSI)が主な役割なので十分だろう。(スレッド単位で見ればIO待ちが多くなるので)単一コアの性能よりは複数マルチスレッドによる負荷分散を目指す。また常時稼働という性質から消費電力を抑えたいので、結論としてはCore i7 3770Tとなる。

Memory:
時価で安いものということでCentury製のメモリとなった。CAS Latencyが11と若干遅いが、どちらかと言えばメモリはキャッシュとしての役割で、がんがんメモリ操作をするような演算はしないので、これでOK。

MoBo
Mother Boardはコンパクトに組み上げるということでmini-ITXサイズのASUS P8H77-Iというボードを使う。前回のサーバもASUSのボードだったが、別にASUSファンということではない。P8H77-IはSATAインタフェースを6つ持っている。つまり、拡張ボード無しで最大で6台のHDDを接続できる。ファイルサーバにはもってこいのMoBoである。PCIeスロットが1つあるのでチーミング用のGiga NICを挿す予定。

HDD:
HDDはIBM!(前日立、現WD?)と決めているのだが、今回は価格重視でSeagateのST3000DM001とする。海外のフォーラムなど見ると使用してしばらくするとエラーを起こしたり認識不能となる不具合が結構多い様だが、日本では異音がする以外は殆んど話題になっていないようだ。RAID1構成で組むので、若干品質が悪いのは我慢しよう。
http://article.gmane.org/gmane.linux.raid/39284
http://forums.seagate.com/t5/Barracuda-XT-Barracuda-Barracuda/ANNOUNCEMENT-New-firmware-update-for-Barracuda-1TB-platter/td-p/162362
(元々RAIDの起源は、民生用の安価なHDDを使ってメインフレームディスクシステムと同等の品質と容量を確保しようというところから来ている。つまり品質の悪いHDDを組み合わせてダウンタイムの少ないシステムを構成しようというのだからST3000DM001でOK。)RAIDとは別にバックアップ用にもう1台必要なので、そちらはHGSTにしようと思う。
なお、新サーバではファイル共有用の大容量HDDとLinuxのroot FSのHDDは分けることにした。ルート・ファイルシステムは、適宜バックアップを取っていればRAID1で強化する必然性もないし、管理も楽になる。ルート・ファイルシステムを格納するのはSSDにして消費電力を抑えようと思う。GUIを含まないサーバ用のルート・ファイルシステムであれば8GBもあればお釣りが来るが、今時のSSDでそんな容量は無い。そこで、60GBのIntel SSDSC2CT060A3を使うことにした。60GBでも大きいので30GBのパーティションに分けて使う(残りの30GBは使わずにSDDの延命用にリザーブしておく)。

OS:
OSはLinuxをベースにしようと思うが、どれを使うか。現サーバはUbuntu 8.04を使っている。勝手知ったるUbunuが第一候補だが、海外のフォーラムを見ると、最新の12.04はPCが固まる(Perfect Freeze)らしく、マウスもキーボードも反応がなくなるようだ。
https://bugs.launchpad.net/ubuntu/+source/xserver-xorg-video-intel/+bug/993187
https://bugs.launchpad.net/ubuntu/+source/linux/+bug/999910
ただ、調べて行くとUbuntuに限ったことではなくLinux 3.X系の問題らしい。サーバ用途で多く使われているOSのLinuxで信じられないことだが、どうも事実のようだ。安定して動かすと言えばCentOSになるが、最新の6.3で採用しているカーネルは2.6.32であり、SSDに対するTrimコマンドをサポートしているのは残念ながら2.6.33からなので、今回は使えない。Fedoraは人柱要素が強い上にサポート期間も短いので、長期で利用するには避けたい。
そうなるとやはりUbuntuが良いのだが、カーネルのバックポート・パッチが出るまで試験的に運用するしかなさそうだ。

Chassis:
筐体はLIAN-LI PC-Q25Bにしてみる。小型の筐体ながらホットスワップ3.5インチベイを5台分持ちファイルサーバ用としてはうってつけだ。更に筐体底部にHDDを3台程取付けられる。ここにSSDを設置することにする。筐体前面は電源ボタン以外は何もない。DVD/BLドライブもUSBコネクタも無い。DVD/BLドライブは必要ないので要らない(Linuxの場合、ISOファイルで入手すれば、マウントして使えるので)。USBに関してはUSB 3.0用のハブをそばに設置して置けば問題ないだろう。吸気口が少なく冷却が気になるが、CPUやGPUをガンガン使う訳でもないので大丈夫だろうと踏んでいる。
デザイン的には非常にスッキリしていて気に入っている。

PSU
電源ユニットには玄人志向のKRPW-PT500Wを使う。これを採用した理由は2つ。80PLUS PLATINUMの高効率性と奥行きが125mmと他の電源ユニットに比べてコンパクトであること。電源の効率性は低消費電力には結構効いてくる。ただ、今回の構成ではピーク時でも150W行くか行かないかなので、500Wだとオーバースペック気味である。電源は定格の半分程度の消費電力の時に最も効率が良く、それ以下だと効率が下がる傾向にあるので、本来であれば250W〜300Wの電源が理想的だ。しかし、300Wで80PLUS PLATINUMの製品がなく、玄人志向のホームページによれば負荷20%でも90%の効率がでるようなので、これにした。
また、LIAN-LIの筐体はコンパクトなので、通常の140mmの奥行の電源ユニットだと配線の取り回しが結構大変そうだ。ここで15mmの余裕があるのは非常に嬉しい。


以上のような構成でパーツを集めてみる。