Thinstallって面白い

VMware製品はServerとか使っていたが、他の製品は余り見てなかった(というか個人で使うにはちょっと高いので)。久しぶりにVMwareのホームページをフラフラと見てたら1月にThinstallという会社を買収をした、と載っていたのでThinstallを見てみた。(http://www.thinstall.com/ 多分このURLもその内無くなると思うが。)VMwareでは"Project North Star"という名前で製品化を進めていて現在βバージョンとして公開している。

これって中々面白いツールだと思った。今までVMware Playerは使っているが、これはOS上でOSを動かしてその中でアプリケーションを動かす方法だ。一方、ThinstallはOSの上で直接アプリケーションを仮想化して動かしてしまう。実OSの環境に捕らわれないでアプリケーションを動かしたいということは結構あるし、実際、その目的VMware Playerの使っている。しかし、VMware Playerの弱点(?)はアプリケーションを動かしたいだけなのに仮想マシンでOSまで含めなければいけない点である。例えば、バージョンの異なるワードのようなアプリケーションを1つのマシンで一時的に動かさなければならない場合、VMware Playerを使うともう一つOSが必要になる。結果、(1)仮想環境のファイルが巨大化する(2GBとか)、(2)OSがWindowsだとライセンスが必要になる、(3)実OS環境とのインタラクション(ファイルやデバイスの扱い)が限定的になってしまう、という問題が出てくる。

Thinsallはアプリケーションと必要最小限の環境(DLLとか)、それらを管理するVOS(Thinstall Virtual Operating System)という一種のミドルウェアを1つのEXEファイルに押し込めて使う。使うときはEXEファイルを実行するだけ。実OSのファイルへも通常通りアクセス出来るし、USBなどのIOも使える。ファイルも(もちろんアプリケーションにも依ると思うが)デモ用のFirefoxで18MBしかない。OS環境を丸ごと必要な場合(例えば、仮想アプライアンスとか)はVMware Playerの方が合っていることが多いと思うが、単体のアプリケーションであればThinstallの良いだろう。Vistaへのマイグレーションへの1つのソリューションになるだろう。

しかし、バージョンの異なる同じアプリケーションを同時に動かす、とか、Vistaへの移行で古いアプリケーションを一時的に動かす、といった特殊な用途に限定せず、もっと汎用的に使えると思う。例えば、ASPとはSaaSでアプリケーションを配布する場合に「インストール作業」が必要ないので、ある程度複雑なアプリケーションも簡単に製品化できるし、個人で使うにも、同じアプリケーションをワザワザインストール作業なして(=制限ユーザでも)色々なマシンで使えるというのは嬉しい。例えば、インターネットカフェのようなマシンでUSBからアプリケーションを起動できる。

一つの流れになるかな?