なぜRAID-1を使わないのか

ミラー用にHDDを1台持つのであれば、RAID-1、つまり本格的なミラーリングにしないのかという疑問がある。実は以前RAIDコントローラを使ったシステムを構成していたことがあった。安物だったこともあるのかも知れないが使い勝手が大変悪く、HDDの障害発生時にどの様なオペレーションをすれば良いのか直ぐに分からず、随分時間を取ってしまったこともある。結局、RAID-1は障害時にどの様な対応(オペレーションをするのか)を明確にする必要があるが、導入時に模擬的にシミュレーションすること(故意にHDDに障害を発生させるなど)が難しいので、いざという時に困ってしまう。
また、数GBの時代は良かったが、数十GB、数百GBになると障害のあるHDDを新品と交換してRAIDコントローラが同期を取り始めると、同期を取るのに非常に時間が掛かってしまう。動的に同期をとるのでその間、システムのパフォーマンスが極端に下がるし、また、いつ終わるのか見当もつないのでリブートも出来ない。HDDの障害時はHDDの交換だけではなく、システムの設定の変更なども必要なことがあり、リブートしたり一旦システムを停止したいこともあるが、スナップショットを使ってHDDの同期を始めると、安物のRAIDコントローラだと融通が利かない。

最近ではOSの機能を使ってソフトRAIDを使う方法もあるが。ハードウェア・コントローラに比べれば柔軟性は高いが、上のような問題がなくなる訳ではなく、またシステムの性能の問題なども出てくる可能性があるので、導入には躊躇してしまう。(今度、今のサーバとほぼ同じ構成のマシンをもう一台、作ろうと思っているので、その時に試してみたいとは思っているが。)

商用サービス提供用のシステムは別だが、ノンストップでなくても許されるのであれば、利便性、柔軟性を考えるとルーズなミラーリングも選択肢かと思う。また、先のパーティションの説明でも触れたように、バックアップの先を適宜変えて、そこからブートするなど色々と小技が使えるので重宝している。完全なRAID構成にしてしまうと、そうはいかない。