Ubuntu 8.04 βのインストール

「β」ではなく正式版のインストールは「Ubuntu 8.04 DesktopをInspiron 1501にインストールする」を参照。

P5K-VMベースの「仮想マシンサーバ」はFedora 8ベースで取りあえず安定運用に入っているので、Ubuntu 8.04βやVMS 2.0β2をインストールするわけには行かない。そこで、1年程前に購入したDell Inspiron 1501というノートPCにインストールすることにした。(そもそも、はてなに書き始めたのもInspiron 1501を購入したのがきっかけだった。)
当時は結構ハイスペックのノートPCでLinuxの評価用に買った。CPUとメモリの構成は

  • CPUはAMD Turion 64X2 TL-56 1.8GHz
  • デュアルチャネルDDR2 1GB+0.5GB(0.5GB + 0.5GBからアップグレード)

としているので、そこそこ。今でもスペックの高い方で現役として使えるが、仮想マシンの評価を進める内にHDDがどうしてもボトルネックになってしまい、P5K-VMベースのPCに切替えた。Inspiron 1501の方は、今では、特に用途がなくなってしまったので、Ubuntu 7.10をインストールしてVMware Server 2.0の評価用にスタンバッている状態だ。ということで、このPCにUbuntu Desktop 8.10βをダウンロードしてインストールしてみた。

インストール自身は特に問題なし。Ubuntuを立ち上げて、ネット経由でソフトウェアの更新をしていたらPCが行き成りダウン。気持ち悪いので再度インストールしたら、今度はインストール途中でダウン。「おんやっ」と思ったが、原因はUbuntuではなかった。PCが異常に熱い。原因はノートPCの吸気口がホコリで塞がれて空気の流れがかなり通りが悪く、熱暴走したもよう。春になり暖かくなったのと、久しぶりにCPUに負荷をかけたので症状が出たのだろう。掃除機で埃を取り除き再度インストール。

インストール自身は特に問題なし。Ubuntuを立ち上げて、ネット経由でソフトウェアの更新も「幾つか更新できないものがある」というメッセージが出たが、一応無事終了。(この辺はβなのでソフトウェア間の整合性が十分でないためかもしれない。)再度立ち上げると「メーカ提供(Proprietary)のハードウェアドライバがある」というメッセージが出た。Inspiron 1501に搭載されているATIRadeonグラフィックプロセッサのドライバとBroadcom無線LANモデムのドライバだった。無線LANは取りあえず使わないが、両方チェックしてドライバをインストール、再起動。これでグラフィックドライバはXorgradeonではなくATIのfglrxになる。

起動すると画面全体が縦に間延びしてしまっている。何故こんなことになるかと言うと、私は普段ノートPCを使うとき外付けのディスプレとキーボードを接続して使う。Inspiron本体の液晶は1280x800の解像度だが、外付けの液晶は1280x1024なので1280x800のイメージを1280x1024の画面に出力しているため。しかし、標準の設定ファイル(/etc/X11/xorg.conf)ではあくまで1280x800の能力しかないと解釈するので、GNOMEのツールとかでは変更できない。そこで、/etc/X11/xorg.confにちょっと追加して再ログインすればOK。
オリジナルの/etc/X11/xorg.confのScreenセクション:

Section "Screen"
	Identifier      "Default Screen"
	Monitor         "Configured Monitor"
	Device          "Configured Video Device"
	Defaultdepth    24
EndSection

修正した/etc/X11/xorg.confのScreenセクション:

Section "Screen"
	Identifier      "Default Screen"
	Monitor         "Configured Monitor"
	Device          "Configured Video Device"
	Defaultdepth    24
	SubSection "Display"
		Virtual   1280 1024
	EndSubSection
EndSection

この辺は以前「Inspiron 1510 + Fedoraの外部モニタ使用方法」で散々苦労したので直ぐに解決。

Ubuntu 8.20βをインストールする直前まではUbuntu 7.10を動かしていた。こちらの方もXorgradeonドライバではなくATIのfglrxドライバを動かしていたが、大きな違いがあった。7.10のときはAppearance設定(画面の設定)で"Visual Effects"(視覚効果)をNormalから変更できなかった。つまりGNOMEが「このマシンにはグラフィックプロセッサが無い」と思っていた。しかし、8.20βでは無事にグラフィックプロセッサを認識し、"Extra" Effectまで設定できる。ウィンドウを移動するとウィンドウがグニャグニャ変形するし、嬉しい。

補足(2008/04/17)

Ubuntu 8.04 βにいきなり88+1個のソフトウェアの更新があった。やはりβ段階なので随分更新があるようだ。89個については問題なく更新できた。
VMwareも小まめにアップデートしてくれると良いのだけど。

面白いバグ(2008/04/19)

Ubuntuの 8.04βに限ったことではないと思うが(多分Gnomeのバージョンの問題だと思うが)、Gnomeで画面の視覚効果をExtraにできるようになったが、Extra効果だとウィンドウを移動する時にゴムのように伸びたり縮んだりする。そして、場面の端の方にウィンドウを移動すると磁石がくっつくようにウィンドウが画面の端にくっつく。この「機能」のせいだと思うが、ウィンドウを画面の端にくっつかないようにギリギリまで寄せて(これが結構難しい)、一旦ウィンドウを最大化する。そして、続いて非最大化(最大化を解除)すると!、ウィンドウが痙攣を起こしたように、いつまでも画面の端にくっついたり離れたりする。ぷるるんせりーみたいで面白いバグだ。

Release Candidateにバージョンアップ(2008/04/19)

8.04の正式版のリリース5日前にしてβからRelease Candidate(リリース候補版)になった。先日、βで89個ものソフトウェアの更新があったのはこのためかもしれない。RCはその名前の通り「これがそのままリリース版となる可能性が高い」というバージョンだが、ソフトウェア会社によってはRC-2、RC-3とかを平気で出して挙句の果てにリリースが遅れるという会社もある。プロジェクト管理をきちんとしているUbuntuではそういうことはないかと思う。結構安定して動いている。