追記(2008/01/13)

前回(2007/09/04)でFedora Core 6にてLBP-1110が使えたと思った勘違いがあった。
実際にドライバを持っている(=物理的にプリンタがつながっている)のはネットワーク上の他のWindows PCであり、Fedora PCは単に印刷するデータをWindows PCに送り、Windows PCの方でドライバを使って印刷していた。

PCの環境が変わったのでFedora 8のPCにLBP-1110を接続して、LBP-1120のドライバをインストールしてみたが、見事に使えなかった。

もし、LBP-1120のドライバでLBP-1110が動くのであれば、わざわざCanonも対象機器から外すことはしないだろう。(もっとも、サポート期間が過ぎたので本当は動くのだけど、サポートが大変だからリストからは外すという、お客様不本意の企業が多いのだが。別にCanonのことを言っているのではなく一般的な話しとして。)

色々と探したら、LBP-1110の海外モデルLBP-810のCAPTドライバがあったので設定してみたが、やはりNGだった。(あまりLinuxのプリンティングシステムについて詳しくないので設定が間違っているだけかも知れない。)

最終的にはFedora 8のPCではなく、その上のW2Kの仮想マシンにやらせる方が手っ取り早そうだったが、こっちはこっちで別の問題(仮想マシンをリブートするとUSBを正しく認識できず、一度「物理的に」USBを抜き差ししないと使えないという問題)があり断念。リモート環境(といっても隣の部屋だけど)では使えない。

暫くはお古のCrusoeマシン(確か600MHz位だったか)をプリントサーバとするしかなさそうだ。

LBP-1110について

自宅にCanon LASER SHOT LBP-1110というプリンタがある。確か10年位前に買ったものだと思う。HP Deskjet 300Jが壊れて量販店にプリンタを見に行った。個人で買うので予算も限られているため最初はインクジェットを考えていたが、見て回る内にLBP-1110が目に入って来た。「LBP? LASER SHOT? でも安い!」随分前のことで記憶に乏しいが、確か4万円程度とかで買った記憶がある。当時はオフィス向けのLBPが安い物でも10万円以上はしていたから格安だった。
なぜ安いのか? 画像エンジンを搭載していないからだった。一般的なプリンタはテキストやメタデータを受け取って指定されたフォントや配置情報にしたがってビットマップに展開した上で印刷エンジンに渡して出力する。画像エンジンには32ビットクラスのマイクロプロセッサとそこそこのメモリを必要するため結構高価な部品である。LBP-1110は画像エンジンを内蔵しないでパソコンにその役割を肩代わりしてもらう。パソコン側でビットマップに展開するソフトを載せておき、プリンタは展開済みの情報を受け取って出力するだけである。この方式のことをキャノンではCAPT(Canon Advanced Printing Technology)と呼んでいる(と理解している。その後CAPTの概念が拡大されたかもしれないが)。
レーザービームプリンタの方がRunning Costも安いので迷わずLBP-1110を購入した。 しかし、余り売れなかったのかその後LBP-1110を店頭で見かけることは殆どなかった。私としてはお気に入りのプリンタである。LASER SHOTシリーズとしては設置面積も非常に小さい(現在販売されているLBP-350と殆ど同じ形状)。PCを画像エンジンとして使うのでストレスも少ない。欠点と言えばプリンタを利用するために常にPCを起動しておかなければならないことだが、私の場合は使い古したノートPC(Dynabook SS 3480)をCAPTエンジン兼ププリントサーバとしている。
私的には名機と思っているが、既に手に入るドライバ(CAPTエンジン)も限られてしまっている。

LBP-1110をFedora 7で動かす

Fadora 7のCUPSにはLBP-1110のドライバは入っていない。キャノンのホームページを見てもLBP-1110用のLinuxドライバは影も形もない。ただ、LPB-1110の後継機のLBP-1120のCAPTドライバは配布されているので、これを何とか使えないかと思う。(今回はFedora 7のマシンに直接LBP-1110を繋ぐのではなく、ネットワーク上にあるDynabook SS 3480に対して印刷データを送り付けるだけである。Dynabook SS 3480はWindows 2000をOSとしていてSMBでプリンタ共有をしている。)

CAPTドライバのダウンロード

キャノンのホームページよりLBP-1120用(というかCAPT対応プリンタ用)ドライバをダウンロードしてくる。ダウンロードしてくるのは以下の2つのパッケージ。

cndrvcups-common-1.50-1.i386.rpm
cndrvcups-capt-1.50-1.i386.rpm

早速、共通パッケージから展開する、が、

# rpm -ivh cndrvcups-common-1.50-1.i386.rpm 
エラー: 依存性の欠如:
        gtk+ は cndrvcups-common-1.50-1.i386 に必要とされています
        libgdk-1.2.so.0 は cndrvcups-common-1.50-1.i386 に必要とされています
        libglib-1.2.so.0 は cndrvcups-common-1.50-1.i386 に必要とされています
        libgmodule-1.2.so.0 は cndrvcups-common-1.50-1.i386 に必要とされています
        libgtk-1.2.so.0 は cndrvcups-common-1.50-1.i386 に必要とされています

と、エラーが出る。「ソフトウェアの追加・削除」でgtk+x86_64)とgmodule(libglade、i386x86_64)をインストールしてから再度展開する。

# rpm -ivh cndrvcups-common-1.50-1.i386.rpm 
準備中...                   ########################################### [100%]
   1:cndrvcups-common  ########################################### [100%]
#

今度は問題ない。
次にCAPTドライバ本体の展開。

# rpm -ivh cndrvcups-capt-1.50-1.i386.rpm 
準備中...                    ########################################### [100%]
   1:cndrvcups-capt      ########################################### [100%]
#

こちらはすんなりと。ドライバのインストールマニュアルに従って、CUPSサービスを再起動。

# service cups restart
cups を停止中:                                             [  OK  ]
cups を起動中:                                             [  OK  ]

あとはパネルメニューから「システム」→「管理」→「印刷」を起動してプリンタの設定を行う。上のCAPTドライバをインストールすると印刷ツールで「製造元」としてCanonを選ぶと「モデル」に

LBP1120 CAPT ver.1.3
LBP1210 CAPT ver.1.3
LBP2900 CAPT ver.1.3
LBP3000 CAPT ver.1.3
           :
LBP5300 CAPT (UK)

という項目が表示されるので、LBP-1120を指定してインストールした。