Ubuntu 8.04 β + VMware Server 2.0 β2

Fedora 8 + VMware Sever 1.0.5 で安定して動いているので、UbuntuVMwareのホームページを見ていなかったが、久しぶりに見てみたら Ubuntuの次のLTS(Long Term Support)となるUbuntu 8.04のβ版がリリースされていた。一方、VMwareのホームページではつい最近VMware Server 2.0 β2がリリースされていた。両方ともまだベータ版だが、これは楽しくなりそうだ。

12月に仮想マシンサーバとしてP5K-VMベースのPCを購入した際にOSとしてUbuntu 7.10を使おうとした。しかし、Intel G33チップセットに内蔵されているグラフィックスアクセラレータ(GMA 3100)との相性が悪い(時々画面出力が無くなる)ので、最新のドライバが使えるFedora 8にした。なぜUbuntuが良かったよいうとVMware ServerのサポートしているホストOSとしてUbuntu 7.10がリストに載っているからだ。(VMwareのマニュアルに書いているからには、あの「any-any-update」のようなパッチも要らない違いない。)以前、Ubuntu 7.10をインストールしてから4ヶ月経っているのでUbuntu 7.10でもIntel GMA 3100が動くとは思うが、取りあえずFedora 8で安定してるのでそのままにしていた。(Redhat系(Fedora)からDebian系(Ubuntu)に変更すると運用管理も変わってくるので、ちょっと腰が引けている部分もある。)

Ubuntu 8.04の特長は色々あるが、私としてはカーネルが 2.6.24-12.13ベース(実際にインストールすると 2.6.24-16)になっている位だろうか。一番8.04で嬉しいのは何と言ってもLTSであることだ。

Fedoraを使っていて良い所は最新のハードウェアに対する対応などが早いこと、ソフトウェアの更新が頻繁にあること、なのがだ、逆に良くないところはソフトウェアの更新が頻繁にあるところ、サポート期間が短いことである。特にカーネルのバージョンアップが頻繁にあり、その度にVMwareの再設定をしなければならない。Ubuntu 7.10をノートPCで使っているが、ソフトウェアの更新はFedora程多くはない。(FedoraRedhatの実験的OSの要素が強いので、常に新しい機能を追い求めていて、その分、どうしてもソフトウェアの更新が多くなってしまう。Redhat系で安定性を求めるのであればCentOSだが、こちらはFedoraに比べて2〜3世代ほど古いので、最新のハードでなければいいのだけど....。)

VMware Serverは2008年3月28日に「β2」がリリースされた。以前、「β」の時にインストールしようとしたがしょっぱなから出鼻をくじかれて、早々に諦めた。(Fedora8へのVMware Serverのインストール) βのリリースが2007年11月12日で4ヶ月以上経っているのでだいぶ良くなっていることを期待したい。β2のマニュアルを見るとUbuntuでサポートしてのは7.10までで、LTSになる8.04はリストに載っていない。今はβ2なので、Release CandidateやGAまでに8.04がリストにのって欲しいなぁ、と淡い期待を持っている。

VMware Serverは2.0からx86_64(amd64アーキテクチャ版のバイナリが出る。1.xまではゲストOSにx86_64は使えたがVMware本体はi386アーキテクチャのバイナリしか用意されていなかったのでホストへのIOなどのモニタが介在する処理のパフォーマンスが向上するのは?と思っている。また、リモートコンソールもWebベースのインタフェースになるようだ。

Ubuntu 8.04 βのインストール

「β」ではなく正式版のインストールは「Ubuntu 8.04 DesktopをInspiron 1501にインストールする」を参照。

P5K-VMベースの「仮想マシンサーバ」はFedora 8ベースで取りあえず安定運用に入っているので、Ubuntu 8.04βやVMS 2.0β2をインストールするわけには行かない。そこで、1年程前に購入したDell Inspiron 1501というノートPCにインストールすることにした。(そもそも、はてなに書き始めたのもInspiron 1501を購入したのがきっかけだった。)
当時は結構ハイスペックのノートPCでLinuxの評価用に買った。CPUとメモリの構成は

  • CPUはAMD Turion 64X2 TL-56 1.8GHz
  • デュアルチャネルDDR2 1GB+0.5GB(0.5GB + 0.5GBからアップグレード)

としているので、そこそこ。今でもスペックの高い方で現役として使えるが、仮想マシンの評価を進める内にHDDがどうしてもボトルネックになってしまい、P5K-VMベースのPCに切替えた。Inspiron 1501の方は、今では、特に用途がなくなってしまったので、Ubuntu 7.10をインストールしてVMware Server 2.0の評価用にスタンバッている状態だ。ということで、このPCにUbuntu Desktop 8.10βをダウンロードしてインストールしてみた。

インストール自身は特に問題なし。Ubuntuを立ち上げて、ネット経由でソフトウェアの更新をしていたらPCが行き成りダウン。気持ち悪いので再度インストールしたら、今度はインストール途中でダウン。「おんやっ」と思ったが、原因はUbuntuではなかった。PCが異常に熱い。原因はノートPCの吸気口がホコリで塞がれて空気の流れがかなり通りが悪く、熱暴走したもよう。春になり暖かくなったのと、久しぶりにCPUに負荷をかけたので症状が出たのだろう。掃除機で埃を取り除き再度インストール。

インストール自身は特に問題なし。Ubuntuを立ち上げて、ネット経由でソフトウェアの更新も「幾つか更新できないものがある」というメッセージが出たが、一応無事終了。(この辺はβなのでソフトウェア間の整合性が十分でないためかもしれない。)再度立ち上げると「メーカ提供(Proprietary)のハードウェアドライバがある」というメッセージが出た。Inspiron 1501に搭載されているATIRadeonグラフィックプロセッサのドライバとBroadcom無線LANモデムのドライバだった。無線LANは取りあえず使わないが、両方チェックしてドライバをインストール、再起動。これでグラフィックドライバはXorgradeonではなくATIのfglrxになる。

起動すると画面全体が縦に間延びしてしまっている。何故こんなことになるかと言うと、私は普段ノートPCを使うとき外付けのディスプレとキーボードを接続して使う。Inspiron本体の液晶は1280x800の解像度だが、外付けの液晶は1280x1024なので1280x800のイメージを1280x1024の画面に出力しているため。しかし、標準の設定ファイル(/etc/X11/xorg.conf)ではあくまで1280x800の能力しかないと解釈するので、GNOMEのツールとかでは変更できない。そこで、/etc/X11/xorg.confにちょっと追加して再ログインすればOK。
オリジナルの/etc/X11/xorg.confのScreenセクション:

Section "Screen"
	Identifier      "Default Screen"
	Monitor         "Configured Monitor"
	Device          "Configured Video Device"
	Defaultdepth    24
EndSection

修正した/etc/X11/xorg.confのScreenセクション:

Section "Screen"
	Identifier      "Default Screen"
	Monitor         "Configured Monitor"
	Device          "Configured Video Device"
	Defaultdepth    24
	SubSection "Display"
		Virtual   1280 1024
	EndSubSection
EndSection

この辺は以前「Inspiron 1510 + Fedoraの外部モニタ使用方法」で散々苦労したので直ぐに解決。

Ubuntu 8.20βをインストールする直前まではUbuntu 7.10を動かしていた。こちらの方もXorgradeonドライバではなくATIのfglrxドライバを動かしていたが、大きな違いがあった。7.10のときはAppearance設定(画面の設定)で"Visual Effects"(視覚効果)をNormalから変更できなかった。つまりGNOMEが「このマシンにはグラフィックプロセッサが無い」と思っていた。しかし、8.20βでは無事にグラフィックプロセッサを認識し、"Extra" Effectまで設定できる。ウィンドウを移動するとウィンドウがグニャグニャ変形するし、嬉しい。

補足(2008/04/17)

Ubuntu 8.04 βにいきなり88+1個のソフトウェアの更新があった。やはりβ段階なので随分更新があるようだ。89個については問題なく更新できた。
VMwareも小まめにアップデートしてくれると良いのだけど。

面白いバグ(2008/04/19)

Ubuntuの 8.04βに限ったことではないと思うが(多分Gnomeのバージョンの問題だと思うが)、Gnomeで画面の視覚効果をExtraにできるようになったが、Extra効果だとウィンドウを移動する時にゴムのように伸びたり縮んだりする。そして、場面の端の方にウィンドウを移動すると磁石がくっつくようにウィンドウが画面の端にくっつく。この「機能」のせいだと思うが、ウィンドウを画面の端にくっつかないようにギリギリまで寄せて(これが結構難しい)、一旦ウィンドウを最大化する。そして、続いて非最大化(最大化を解除)すると!、ウィンドウが痙攣を起こしたように、いつまでも画面の端にくっついたり離れたりする。ぷるるんせりーみたいで面白いバグだ。

Release Candidateにバージョンアップ(2008/04/19)

8.04の正式版のリリース5日前にしてβからRelease Candidate(リリース候補版)になった。先日、βで89個ものソフトウェアの更新があったのはこのためかもしれない。RCはその名前の通り「これがそのままリリース版となる可能性が高い」というバージョンだが、ソフトウェア会社によってはRC-2、RC-3とかを平気で出して挙句の果てにリリースが遅れるという会社もある。プロジェクト管理をきちんとしているUbuntuではそういうことはないかと思う。結構安定して動いている。

VMware Server 2.0 β2のインストール

VMware社のホームページからamd64版の2.0β2をダウンロードしてくる。Fedoraのときはrpm形式を使ったがUbuntuではtar形式のものをダウンロードする。また、同時にとSerial Number(ダウンロードのページに表示されている)をコピー&ペストしておく。
先ずはダウンロードしたファイルを解凍して、"vmware-server-distrib"というディレクトリの下にある"vmware-install.pl"を起動して、あとは質問に答えるだけでOK。

$ sudo bash
[sudo] password for adsaria:
# cd /tmp
# tar xvf VMware-server-e.x.p-84186.x86_64.tar.gz
	:
# cd vmware-server-distrib/
# ls
bin  doc  etc  FILES  installer  lib  man  sbin  vmware-install.pl  vmware-vix
# ./vmware-install.pl
	:

基本的には全ての質問に対して"Enterキー"を押すだけ(つまりデフォルトの設定)で問題ない。Fedoraの場合では、vmware-install.plを走らせる前にgccのインストール、kernel-develのインストールなどが必要だったが、Ubuntu 8.04の環境ではUbuntuのインストール直後の状態でも問題なかった。
なお、vmware-install.plの中で3つのモジュール

  • vmmon module
  • vmci module
  • vsock modu

コンパイルしてシステムに組み込むが、Ubuntu 8.04の環境では残念ながら"vsock module"はコンパイルできなかった。(Ubuntu 7.10ではOKなのだろうか?)以下のようなエラーメッセージが吐き出される。

Extracting the sources of the vsock module.

Building the vsock module.

Using 2.6.x kernel build system.
make: Entering directory `/tmp/vmware-config0/vsock-only'
make -C /lib/modules/2.6.24-16-generic/build/include/.. SUBDIRS=$PWD SRCROOT=$PWD/. modules
make[1]: Entering directory `/usr/src/linux-headers-2.6.24-16-generic'
  CC [M]  /tmp/vmware-config0/vsock-only/linux/af_vsock.o
In file included from /tmp/vmware-config0/vsock-only/linux/af_vsock.c:92:
/tmp/vmware-config0/vsock-only/./include/compat_wait.h:64: error: conflicting types for ‘poll_initwait’
include/linux/poll.h:65: error: previous declaration of ‘poll_initwait’ was here
/tmp/vmware-config0/vsock-only/linux/af_vsock.c:260: warning: initialization from incompatible pointer type
/tmp/vmware-config0/vsock-only/linux/af_vsock.c: In function ‘__VSockVmciCreate’:
/tmp/vmware-config0/vsock-only/linux/af_vsock.c:1789: warning: passing argument 1 of ‘sk_alloc’ makes pointer from integer thout a cast
/tmp/vmware-config0/vsock-only/linux/af_vsock.c:1789: warning: passing argument 3 of ‘sk_alloc’ makes integer from pointer thout a cast
/tmp/vmware-config0/vsock-only/linux/af_vsock.c:1789: warning: passing argument 4 of ‘sk_alloc’ makes pointer from integer thout a cast
make[2]: *** [/tmp/vmware-config0/vsock-only/linux/af_vsock.o] Error 1
make[1]: *** [_module_/tmp/vmware-config0/vsock-only] Error 2
make[1]: Leaving directory `/usr/src/linux-headers-2.6.24-16-generic'
make: *** [vsock.ko] Error 2
make: Leaving directory `/tmp/vmware-config0/vsock-only'
Unable to build the vsock module.

The VM communication interface socket family is used in conjunction with the VM
communication interface to provide a new communication path among guests and
host.  The rest of this software provided by VMware Server is designed to work
independently of this feature.  If you wish to have the VSOCK feature  you can
install the driver by running vmware-config.pl again after making sure that
gcc, binutils, make and the kernel sources for your running kernel are
installed on your machine. These packages are available on your distribution's
installation CD.
[ Press the Enter key to continue.]

これはvsockがLinux 2.6.24以降でコンパイルできない、というエラーでVMwareのサポートページでも色々なLinuxディストリビューションで報告されている。(Ubuntu 8.04 βは2.6.24-16-genericだった。)例えば「compile vsock during installation」では、VMwareの人がレスしていて、

Yep, this is a known issue with >= 2.6.24 kernels. It'll be fixed in the next release. 
The vsock module isn't used by any default services yet so this shouldn't affect anything in beta 2.

と書いている。vsockはデフォルトサービスでは現在使われていないので特にこの機能がなくても大丈夫らしい。また、次のリリースで修正されるらしいが、"次のリリース"が3.0なのか、β3(もしくはGA)なのかいま一つはっきりしない。しかし、別のスレッドで別のVMwareに人が次のように回答している、

This is a known issue and was recently fixed so should make the next beta drop

どうもβ3相当で修正されるらしい。このエラーが修正されれば、Ubuntu 8.04はLTSなので、VMwareのインストールで問題が無くなることを期待できる。エラーの内容は単純で"poll_initwait"という関数を"/usr/src/linux-headers-2.6.24-16/include/linux/poll.h"と"vmware-config0/vsock-only/include/compat_wait.h"の両方で定義されているということなので、カーネルのバージョンによって宣言部分を適切にすれば直ぐに修正できそう。なお、このエラーはvmware-any-any-116を当てても直らなかったらしい。

とりあえず、このエラーは無視して先に進む。(このエラーについては対処療法的に回避できた。追記:"vsock module"のコンパイル」参照)
最後の方で、Serial Numberを入れろと言われるので、コピー&ペーストしておいたSerial Numberを入れる。後は問題なく終わるだろう。取りあえず、vsock moduleは使えないが仮想マシンを使ってみる。

余談(?)になるが、途中で次のようなメッセージがでる:

Your host has IPv6 networking enabled. VMware Server Web Access may not
function correctly in this environment. We recommend that you disable IPv6 if
you experience problems with VMware Server. Please consult your distribution's
documentation for details on how to disable IPv6.

つまり、IPv6が有効だと正常動作しない可能性あるのでIPv6を無効にしてくれ、というメッセージである。Fedoraに関しては、FredoraでIPv6を無効化で書いたように、/etc/modprobe.conf に

install ipv6 /sbin/modprobe -n -i ipv6

という一行を加える。Ubuntuでは/etc/modprobe.d/blacklist の中に

blacklist ipv6

を追加すればOKということなのだが(Fedora で IPv6 をスマートに無効化)、この機会に試してみた。設定前と設定後(リブート後)で"lsmod"コマンドで確認したところ確かにIPv6のモジュールが登録されず無効化していた。

以上のIPv6の無効化に関しては「UbuntuでIPv6を無効化」も参照のこと

さて、リモートコンソールがWebベースになっているということなので、Firefoxを起動してURLに"localhost"を入力する。すると、ここでloginのダイアログが表示されるが、今使っているアカウントや、他のアカウントを指定してもログインできない。ユーザを登録しないといけないのか? マニュアルを見るとVI Web Access画面で設定できるとあるが、その画面にアクセスできないわけだ。(いつかの「Adobe Readerがダウンロードできない」のような間の抜けた話しである。)
ひょっとしてrootであればログインできるのか? と思ったが、Ubuntuの特色の一つとしてrootのパスワードは無効、つまり誰もrootではログインできないようにしてある。仕方ないので、rootにパスワードを設定してrootでログインできるようにする。

$ sudo bash
[sudo] password for adsaria:
# passwd
Enter new UNIX password:
Retype new UNIX password:
passwd: password updated successfully

再度 VI Web Accessでトライすると、見事にログインできた。

なんかXenの画面みたいだ。
それでは、VMware Server 1.xで作成した仮想マシンが動くかどうか試してみる。VIWAの右エリアのSummaryタブの中にCommandsというエリアがあり、"Add Virtual Machine to Inventory"という項目があるのでクリックすると、既存の仮想マシンを選択するためのサブウィンドウが現れる。"Standard"を選択して目的の仮想マシンを指定する。(勿論、前もって仮想マシンのファイルをコピーしておく必要がある。)すると、インベントリ内に指定した仮想マシンが現れ、クリックするとその詳細が右側のウィンドウ表示される。(この辺りの操作の流れは1.xのリモートコンソールと大体同じだ。)

次に右側のエリアの"Console"というタブをクリックすると次のような画面が出る。Xenのコンソールでは、この黒いエリアに相当する部分が仮想マシンのコンソールイメージなるが、VIWAでは真っ黒のままで、名にやらメッセージが書いている。

どうもプラグインをインストールしなければならないようだ。画面中ほどの"Install plug-in"をクリックするとプラグインのインストール画面が出るので指示に従ってインストールし、ブラウザを再起動する。すると次のような画面が出る。

真ん中の「▲」は仮想マシンの「起動ボタン」を意味しているのだろうが、ここはチョット、デザイン的にあまり好きではない。
さて、Playボタンを押すとゲストのコンソール画面がでる思いきや、次のような画面のままである。

ここで焦ってマウスを何回もクリックしてはいけない! 私はやってしまったのだが、マウスを1回クリックする度にコンソールウィンドウが1つ生成される。ただ、表示が遅かっただけだ。何回もクリックすると、ゲストのコンソールが山のように生成される。("Click anywhere to open the virtual machine."と書いてあるではないか。でも、初めての人には良く分からない。)1回だけクリックする。暫くすると別ウィンドウでコンソール画面が現れる。(多分、ホストマシン上でをVIWAを開いたので遅かったのだろう。)

別のマシン(Windows XP + IE 7)からリモートでアクセスしてみたが、(当たり前だが)IEでもFirefoxと同じ手順でアクセスできる。最後に現れるゲストのコンソールはWindows環境で見ると、まるでVMware Playerの画面のようだ。

ご愛嬌の範疇だと思うが、次のVIWA画面を見て嬉しくなった。「俺のマシンのCPUって16GHzもあったんだ!」

ゲストOSの時間が大幅にずれる問題はどうなったか?

VMware Server 1.xの環境ではゲストOSのクロックが150%も早くなるという現象があった。そのために/etc/vmware/config に3行追加して回避していた(「VMwareゲストOSの時間を合わせる」参照)。
では、VMware Server 2.0 β2 の環境ではどうか? 未だ厳密には測定していないが、GuestにWindows 2000を使って約3日動かしてみた(無負荷アイドリング状態)。結果は1秒と違っていなかった。VMware toolsでホストとの時刻同期の機能はoffにしてある。改善されたようだ。(さては/etc/vmware/config にデフォルトでクロックの指定を入れたなぁ、と思って確認したが、特にクロックに関した設定は無かった。)これで、多くの人が頭を悩まさなくて済みそう。
ちなみにこの問題はホストOS(Ubuntu 8.04 β)とは無関係と思うが、確認はしていない。(少なくともInspiton 1501+Ubuntu 8.04 β+VMware Server 2.0 β2+Windows 2000の組合せでは問題が解消されたことだけ、先ずは報告しておく。)

仮想ネットワークアダプタが動かない(2008/04/20)

1.0.4で作成した、ゲストとして64bit版のFedora 7をインストールした仮想マシンを2.0β2で動かしたところネットワークが動作しなかった。コンソールでネットワークの編集を開いてみると

Virtual device type not supported.
The current virtual device type (e1000) is 
known not to work with this virtual machine's 
configured guest operating system.

というメッセージが出ている。インストールマニュアルなどには使えないという趣旨のこのとは書いてないが....、バグだろうか。仮想マシンのIOの設定で、一旦仮想イーサネットを削除すると、今度は追加が出来なくなってしまう。念のために2.0βの環境で新しい仮想マシンを作り64bit版Fedora 8をインストールしたが、これは問題なくネットワークへアクセスできた。旧バージョンで作成した仮想マシンが使えないのは辛い。Windows 2000をゲストとする仮想マシンの方は問題なくネットワークが使えている。

1.0.5のサーバコンソールが使えるか?(2008/04/20)

1.0.5でインストールしたPC上のVMware Server ConsoleからVMware Server 2.0β2にアクスできるか確認してみた。残念ながら次のようなメッセージのダイアログが出て終了してしまう。

There was a problem connecting:

501 Global command GLOBAL server to non-host agent targets not supported

追記:"vsock module"のコンパイル

Ubuntu 8.04+VMware Server 2.0 Betaではvsock moduleをコンパイル出来なかったが、エラーメッセージを見ているとvsock-only/include/compat_wait.hというファイルの中で‘poll_initwait’が矛盾的に宣言されているとある。多分、VMware Serverのコンパイルに必要なカーネルのヘッダファイル(include/linux/poll.h)で以前は宣言していなかったpoll_initwaitを宣言していて、矛盾が起きたのだろう。
vsock-only/include/compat_wait.hでは、

#define compat_poll_wqueues struct poll_wqueues

extern void poll_initwait(compat_poll_wqueues *)

一方、/usr/src/linux-headers-2.6.24-16-generic/include/linux/poll.h では

extern void poll_initwait(struct poll_wqueues *pwq);

と宣言している。compat_wait.hでの宣言を削除すればコンパイルできそうである。
そこで、この宣言を削除してコンパイルしてみた。削除の手順は以下の通りである。

root@ubuntu804:~# cd /usr/lib/vmware/modules/source
root@ubuntu804:/usr/lib/vmware/modules/source# pwd
/usr/lib/vmware/modules/source
root@ubuntu804:/usr/lib/vmware/modules/source# ls
vmci.tar  vmmon.tar  vmnet.tar  vsock.tar
root@ubuntu804:/usr/lib/vmware/modules/source# mv vsock.tar vsock.tar.save
root@ubuntu804:/usr/lib/vmware/modules/source# tar xf vsock.tar.save
root@ubuntu804:/usr/lib/vmware/modules/source# ls
vmci.tar  vmmon.tar  vmnet.tar  vsock-only  vsock.tar.save
root@ubuntu804:/usr/lib/vmware/modules/source# cd vsock-only/include/
root@ubuntu804:/usr/lib/vmware/modules/source/vsock-only/include# ls
circList.h           compat_list.h    compat_semaphore.h  compat_uaccess.h    vm_assert.h            vmci_iocontrols.h
compat_completion.h  compat_mm.h      compat_slab.h       compat_version.h    vm_basic_defs.h        vmci_kernel_if.h
compat_file.h        compat_module.h  compat_sock.h       compat_wait.h       vm_basic_types.h       vmware.h
compat_fs.h          compat_namei.h   compat_spinlock.h   compat_workqueue.h  vmci_call_defs.h       vmware_pack_begin.h
compat_init.h        compat_page.h    compat_statfs.h     driver-config.h     vmci_defs.h            vmware_pack_end.h
compat_kernel.h      compat_sched.h   compat_string.h     includeCheck.h      vmci_infrastructure.h  vmware_pack_init.h
root@ubuntu804:/usr/lib/vmware/modules/source/vsock-only/include# mv compat_wait.h compat_wait.h.save
root@ubuntu804:/usr/lib/vmware/modules/source/vsock-only/include# cp compat_wait.h.save compat_wait.h
root@ubuntu804:/usr/lib/vmware/modules/source/vsock-only/include# vi compat_wait.h

root@ubuntu804:/usr/lib/vmware/modules/source/vsock-only/include# diff compat_wait.h compat_wait.h.save
64c64
< /* extern void poll_initwait(compat_poll_wqueues *); */
    • -
> extern void poll_initwait(compat_poll_wqueues *); root@ubuntu804:/usr/lib/vmware/modules/source/vsock-only/include# cd ../.. root@ubuntu804:/usr/lib/vmware/modules/source# pwd /usr/lib/vmware/modules/source root@ubuntu804:/usr/lib/vmware/modules/source# ls vmci.tar vmmon.tar vmnet.tar vsock-only vsock.tar.save root@ubuntu804:/usr/lib/vmware/modules/source# tar cf vsock.tar vsock-only/ root@ubuntu804:/usr/lib/vmware/modules/source# ls vmci.tar vmmon.tar vmnet.tar vsock-only vsock.tar vsock.tar.save

このあと、vmware-config.plを実行してコンパイルしたところ、次のように警告はでるもののエラーは出ずにコンパイルできた。

Extracting the sources of the vsock module.

Building the vsock module.

Using 2.6.x kernel build system.
make: Entering directory `/tmp/vmware-config1/vsock-only'
make -C /lib/modules/2.6.24-16-generic/build/include/.. SUBDIRS=$PWD SRCROOT=$PWD/. modules
make[1]: Entering directory `/usr/src/linux-headers-2.6.24-16-generic'
  CC [M]  /tmp/vmware-config1/vsock-only/linux/af_vsock.o
/tmp/vmware-config1/vsock-only/linux/af_vsock.c:260: warning: initialization from incompatible pointer type
/tmp/vmware-config0/vsock-only/linux/af_vsock.c: In function `__VSockVmciCreate':
/tmp/vmware-config0/vsock-only/linux/af_vsock.c:1789: warning: passing argument 1 of `sk_alloc' makes pointer from integer thout a cast
/tmp/vmware-config0/vsock-only/linux/af_vsock.c:1789: warning: passing argument 3 of `sk_alloc' makes integer from pointer thout a cast
/tmp/vmware-config0/vsock-only/linux/af_vsock.c:1789: warning: passing argument 4 of `sk_alloc' makes pointer from integer thout a cast
  CC [M]  /tmp/vmware-config1/vsock-only/linux/driverLog.o
  CC [M]  /tmp/vmware-config1/vsock-only/linux/util.o
  CC [M]  /tmp/vmware-config1/vsock-only/linux/vsockAddr.o
  LD [M]  /tmp/vmware-config1/vsock-only/vsock.o
  Building modules, stage 2.
  MODPOST 1 modules
WARNING: "VMCIDatagram_CreateHnd" [/tmp/vmware-config1/vsock-only/vsock.ko] undefined!
WARNING: "VMCIDatagram_DestroyHnd" [/tmp/vmware-config1/vsock-only/vsock.ko] undefined!
WARNING: "VMCI_GetContextID" [/tmp/vmware-config1/vsock-only/vsock.ko] undefined!
WARNING: "VMCIDatagram_Send" [/tmp/vmware-config1/vsock-only/vsock.ko] undefined!
  CC      /tmp/vmware-config1/vsock-only/vsock.mod.o
  LD [M]  /tmp/vmware-config1/vsock-only/vsock.ko
make[1]: Leaving directory `/usr/src/linux-headers-2.6.24-16-generic'
cp -f vsock.ko ./../vsock.o
make: Leaving directory `/tmp/vmware-config1/vsock-only'
The vsock module loads perfectly into the running kernel.

追記(2008/04/29)Ubuntu 8.04 DesktopをInspiron 1501にインストールする

Ubuntu 8.04の正式リリース後に、改めて8.04をInspiron 1501にインストールした。(Ubuntu 8.04 DesktopをInspiron 1501にインストールするUbuntuのInspiron 1501へのインストールに関してはそちらを参照のこと。ここでは、Ubuntu 8.04とVMware 2.0の相性などを主に扱っている。

Ubuntu 8.04 β + VMware Server 2.0 β2の課題点

どちらもまだ詳細まで使っていないので何ともいえないが、こんな感じだろうか。

Ubuntu 8.04βについて

Ubuntu 8.04βには満足している。ソフトウェアの更新で、更新できないソフトウェアもあるようだが、これはβ版なので詳細までのバージョンの整合性が取れないせいかな?と推測する。DELL Inspiron 1501で最も鬼門だったATI RS485(Radeon)もATI社のProprietaryドライバで外部モニタへの出力も含めて難なく動いた。

VMware Server 2.0β2について

VMware Server 2.0β2も大きな問題はないが、Ubuntu 8.04との組合せではvsockモジュールが組み込めないのがちょっと問題だが、VMwareの人が「vsockはデフォルトのサービスでは現在使われていない」という位なので特ににこの機能がなくても大丈夫だろう。また、VMware Server 2.0のリリースまでには直る可能性が高い。
ゲストマシンでネットワークアダプタが追加できないバグとかがあるが、これは(当然)リリースまでには修正されると思う。

パフォーマンスについて

パフォーマンスの観点からはちょっと問題あり、という感じだ。ポイントは2点ある。
1点目は、今回は基本的には機能テストが中心なので物理マシンとしてDELL Inspiron 1501を使った。CPUにAMD Turion 64X2 TL-56 1.8GHzを搭載していると言っても、やはり所詮はノートPCだ、メモリスピードは400MHzしかない。(本体のカタログにはFSB 533MHzと書いてあるのに、増設メモリのカタログには「プロセッサで533MHzのオプションを選択した場合でも、チップセットの仕様上、400MHzとして動作します」って書いてある。普通、購入前に増設メモリのカタログなんて見ない。DELLに「やられた!」という感じである。)また、2.5"のHDDなので、ここもボトルネックとなる。VMwareはIO周りがしっかりしたホストマシンでないときつい。

もう一つの原因は不明だが、Inspiron 1501の性能を差っぴいたとしても、1時間位使っていると極端にシステムが遅く(重く)なる。端末ウィンドウを出すだけでも30秒以上待たされるし、VIWAを閉じようとしても1分近くかかる。時々、マウスポインタも固まる。これは明らかにおかしい。freeコマンドやシステムモニタでメモリ状況やCPUの負荷を見ても、大した数字ではない。しかし遅い。Ubuntuが原因なのか、VMwareが原因なのか分からないが、両方ともβ版なので、まだ何かしらの問題を抱えているのかも知れない。